キャリアモデル 総合職の先輩のキャリア

2000年入省。地元北海道の郵便局に5年勤務し営業を担当。半年の研究科訓練を経て2005年4月より本社勤務。同時に現職に。10年間の勤務の中で学資保険「はじめのかんぽ」の開発などに携わる。

商品開発部 商品開発担当 2000年入社

大西 延卓Nobutaka Onishi

営業のエキスパートだった大西。新入社員時代から好成績を挙げるなど、しなやかに保険商品を販売する仕事になじんだ。その原動力は仕事を楽しむ姿勢と、生命保険の力を信じる気持ちにあった。

Episode 1  営業担当として活躍した
北海道時代

営業の半分はお客さまとの関係づくり

「当初は営業志望ではなかったんです。でも実際に営業に取り組んでみたら、これが楽しくて」
北海道・旭川で育ち大学も札幌。社会人としての第一歩も札幌の郵便局で踏み出した。しかし営業を「楽しい」とはなかなか言えるものではない。かなり向いていたのだろう。
「お客さまと関係をつくっていくのが楽しかったんです。頼りにされると、やっぱり嬉しいですから」
大西は営業には二段階あると言う。
「最初は営業というより何でも相談してもらえる関係をつくる。この人なら安心して相談できると感じてもらえるようにキャラクター、雰囲気を伝えていく。そういう関係のお客さまを地道に増やしていくんです。それがまず大事で、その後何か機会があったときに商品をお薦めしていく」
大西はこの第一段階である関係づくりが得意だったという。働き始めて2年目には札幌市地区連絡会でベスト5の成績を挙げる。そうした結果は何よりも自信になった。自分と似たタイプの同期社員と共に競争するように営業活動に邁進した。現在は現場を離れ商品開発に携わっているが、共に働く若手の中には現場での営業を経験していない社員も多くいる。
「お客さまを“実像”として見えるようになるので、やっぱり一度経験したほうがいいとは思うんですよね」
ただ、その言葉には自分の経験を押しつけたいというような様子はみじんもない。楽しいからやってみればいいのに––。そんなやわらかなトーンである。

「希望」という生命保険の本質を見たときのこと

大西には営業時代の忘れられない思い出がある。あるお客さまから、被保険者であるお嬢さまを亡くされたというお電話をいただいたのだ。大西は花を買ってすぐに訪問した。
「何事もないようお守りのために保険に加入したのに、本当に亡くなるとは」
愛娘をなくした悔しさは想像もつかない。悔しくてならないに決まっている。お客さまは生命保険に加入したことすら後悔している様子だった。
だがそれは違うと大西は思った。生命保険は人を幸せにするものであるはずだ––。
「お嬢さまのお子さまの将来や夢のために、保険金を使ってはどうでしょうか」大西は思いきって提案した。保険金の使い道を、生命保険会社の営業担当者が提案する。普通に考えれば出過ぎた真似かもしれない。
しかし、その瞬間わずかではあったがお客さまに笑顔が戻った。
「そうね。以前孫が海外留学したいと言っていると娘が言っていたわ。その足しにするのが娘のためになるのかもしれない」
いくら支払ったから保障はいくらですというお金の話ではない「希望」という生命保険の本質的な機能や役割を、大西はその目で見た。
「こんな言い方は大げさかもしれませんが、自分が販売している保険という商品に『命』が宿った気がしたんです」
判断や方向性に迷いがでたとき、大西は今でもこの時のやりとりを思い出すことにしている。すると自然と背筋が伸びるのだという。

営業担当として生命保険を販売する立場から、商品を開発する立場へと転身。本社勤務に向けた事前の研修では自らの遠慮がちな姿勢を講師に指摘され、マインドを変える機会も得た。

Episode 2  6年目の転機。
商品開発を担当する部門へ

自己主張をしない自分への鋭い指摘を受けて

5年弱の北海道時代を終え、大西の本社への異動が決まる。準備の一環で行われた研修「研究科訓練」を、大西は1つのターニングポイントだったと振り返る。 「単なる座学の研修ではなく、一流のビジネスマンを育成するというコンセプトでした。MBAを意識した実践的な研修だったと思います」
大西はこの研修である指摘をされたという。
「色々と考えたり、思いもあったりするほうではあるんです。ただ、あまり自己主張はしない性格で、遠慮がちというか正直に言えば冷めたところがありました」
さらに、生命保険の営業ではお客さまの話を聞き、そのペースに合わせるのが基本だ。社会人になって自分からの主張を控える傾向は強くなっていたのだという。
「ある講師の方が、それを見抜いて注意してくれたんです。『君は、自分の思いや考えを大切にしていない。それは君の人生を大切にしていないことと同じだ』と」
主張とは自分の思いである。思いを言葉にしないことは、自分自身に対し失礼である––。そんな指摘を受け、大西はそれまでの自分がとても恥ずかしくなったという。
「本音でぶつかることは、周りとの軋轢を生む弊害しか生まないと思っていました。でも、この研修でそれは違うというのがわかったんです。本音や信念をぶつけ合うことで、講師や同期との絆は確実に深まりました。人生を変える研修であったと思います」

商品は生まれるまでの数えきれないステップ

2005年4月から商品開発部での商品開発の仕事が始まった。営業が好きだった大西だが、現場を離れ商品開発の仕事に就くことには期待もあったという。営業マンとして働く中で、商品や手続きへの疑問点を感じることも多くあった。そういった点をを方針を決定する側に伝えていきたいという気持ちがあったのだ。事前の研修の成果もあったのかもしれない。
「一番感じていたのは商品のラインナップですね。すぐには無理でも、もっとお客さまのニーズに合ったものをそろえていきたいという思いは強くありました」
郵政民営化の機運は高まっており、そうした思いもスピードを上げて実現する可能性が生まれ始めていた。とはいえ商品開発にはたくさんのステップを踏む必要がある。苦情分析や市場調査、営業社員へのヒアリングなどニーズの把握からはじまり、アイデアベースの企画、各種調査・分析を経て、具体的な商品内容と収益等への影響を含めた企画を行う。その後、具体的な約款を作成し金融庁などの認可を取得するための折衝業務や社内の事務、システム構築の総合調整、管理。そしてようやく販売までの各種準備へと進んでいく。販売後は、想定外のリスクが発生していないかの調査や分析も続けていかねばならない。大西はこの非常に細やかなステップを刻みながら商品をつくりあげていく仕事に没頭していく。

大西は10年にわたり商品開発に携わり、2014年には主担当を務めた待望の商品「はじめのかんぽ」が発売された。今後、かんぽ生命は商品開発速度の加速が求められていくだろう。

Episode 3  商品開発とは、お客さまの
ニーズを価値に翻訳すること

やれることは全部やった
「はじめのかんぽ」の開発

2014年4月に発売開始された学資保険「はじめのかんぽ」は、主要商品としては民営化によって設立されたかんぽ生命が開発した最初の商品だ。大西は2011年頃から開発の主担当となった。
「保険の商品開発で一番難しいのは、バランスをとること。保障を手厚くすれば、保険料が高くなるし、お客さまにとっての魅力は確保しつつ会社の利益の最大化も必要となる。そういう最適なバランスを見つけ出すのはむずかしいですね」
『はじめのかんぽ』についてもそこは突き詰めた。営業時代、当時発売していた学資保険と、他社が発売している率の良い商品を比較したときそこには歴然とした差があった。それでも郵便局そしてかんぽ生命を信じて買ってくださるお客さまに対し、申し訳ない気持ちが強くあった。それがモチベーションだった。
「会社としても、私としても待望の商品だったので、自信をもってお勧めできる最高の商品を出すという信念で加入手続きなどの細かいケアも含めて、やれることはだいたいやれたと思っています。郵便局の販売力のおかげもあって好成績を残せていますが、やっぱり嬉しいですよね」
長い時間がかかったが、なんとか学資保険の発売に漕ぎ着けた。だが、他社に比べるとかんぽ生命がそろえるべき商品はまだまだたくさんある。次なる商品の開発もすでに始まっていることだろう。

自由に泳げるようになったときどう泳ぐか

大西が商品開発の仕事に携わり10年が経った。これからも商品開発に携わり続けたいと思っている。
「今後、商品開発にあたっての規制が緩和されていった時、つまり『自由に泳げるようになったとき』に備えて、どういった商品を優先して開発し、また、そのためには、事前にどういった社内の業務体制を構築していく必要があるかについても戦略的に考え、実行していく必要があると思っています」
大西は、商品を開発する組織として会社をもっと強くしていく必要があると考えている。大西がそうだったように、民営化後に入社した若い営業担当者の中には『こんな商品がほしい』と思っている者もいるだろう。彼らの思いに応えられる商品開発力を築き上げることは、これから大西たちが取り組まねばならないミッションであると言える。
「商品開発はお客さまのニーズを具体的な価値に翻訳するものだと思っています。本質は、どうしたらお客さまに喜んでいただけるか、満足していただけるかを考えるところにある。必ずしも難しく考える必要はないと思います」
もちろんお客さまのニーズは千差万別であり、ニーズが明確でも応えること自体が難しいこともある。それでも組織が一丸となって、本音をぶつけあう議論を重ね、課題解決の方法を紡ぎ出していく。優れた商品はそうやって生み出していくものだと大西は思っている。

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