キャリアモデル 総合職の先輩のキャリア

旧日本郵政公社入社後、郵便貯金事業本部企画部を経て、民営化後は経営企画部で約6年活躍する。2010年9月から1年、香港中文大学へ留学。2013年4月より現職。

クレジット投資部
外国債クレジット担当
2006年入社

岡田 洋司Yoji Okada

精密機器を扱った機械工学の分野から、民営化直前の荒波の中の日本郵政公社に飛び込んだ岡田。即戦力としての働きを期待される環境で、新入社員時代は必死に自分を磨く日々が続いた。

Episode 1  責任を果たすことで
つけてきた自信

世界有数の個人金融資産を守り、生かすことの重要性

岡田は機械工学を専攻し大学院まで進んだ。エンジニアを目指す気持ちもあったという。研究室の仲間は、精密機器の分野に進んだりしていた。自分も研究職などに興味があり就職活動では企業訪問なども行っていた。
「でも、じっくりと将来を考える中で公務員のように直接的に社会に貢献でき、多くの人と関わる仕事をしたいと考えるようになりました」
公務員試験も受けていた延長線上に、日本郵政公社の総合職という選択肢が浮上した。就職活動を展開した2000年代前半は小泉政権時代。郵政民営化は話題となり続けていた。将来を考える学生であれば興味を抱くのは自然な流れだった。
2006年に公社に入社。「人口減少社会に突入した日本にとって、世界有数の個人金融資産をいかに守り、資産運用していくかは非常に重要だ」という先輩職員の話に共感し貯金事業を志望した。研修を経て、郵便貯金事業総本部の企画部、収益管理担当に配属。民営化準備室の一員として、ALM(アセット・ライアビリティ・マネジメント:金融工学などに基づいた資産・負債の管理手法)を用いたシステム開発に参加し、プロジェクトマネジメントやシステムベンダーとの折衝などを担当した。
「同期で入社したのは公社全体で50人くらいと少なかった。その上民営化直前で業務は立て込んでいました。それもあってか、新入社員はみんな最初から責任のある仕事をさせてもらっていたと思います」

経営計画策定という責任の重い仕事を通じ壁を乗り越えた

入社の翌年に当たる2007年に民営化が実施される。岡田は株式会社ゆうちょ銀行の経営企画部・経営計画担当に配属された。経営企画部にはその後約6年在籍することになる。この部署での経営計画の指標の策定(全社の売上や利益の具体的な年次目標・BS/PL計画の策定)への従事は、配属されて初めての大きなチャレンジだったと岡田は振り返る。
「私自身は理系出身で、当時会計の知識をほとんど持ち合わせていませんでした。また、民営化後は社内各所でそうであったと思いますが、上司を含め過去に誰も経験をしたことがない業務がたくさんありました。つまり、自分で新たに方法を考えなければならない場面が多くありました。わからないところは自ら財務部に照会したり、上司が薦めてくれた銀行経理の本を熟読したりして作成に取り組んでいました」
経営計画の重要な指標を作成するのは、当然ながら責任の重い仕事であった。ましてや岡田はまだ2年目の社員だ。しかし、押しつぶされそうになりながらも岡田はこれを成長の機会にした。きっかけとなったのは、もう期限内の作成は難しいと感じて上司に声を上げたことだった。
「上司が郵政公社時代に経営計画の指標を作っていた方にお願いをしてくれて」
半日ほどかけて助言を受けた。すると頭の中でバラバラだったピースが1つの絵になっていくのがわかった。自分のデスクに戻りすぐに作業を再開した。もうひと踏ん張り奮闘続けた結果、自分でも納得のゆく経営計画指標が完成した。
「情けないエピソードですけどね(笑)」
岡田は照れくさそうに言うが「あきらめずにやり抜くこと」「苦しかったら声を出すこと」「やり遂げることで自信を積み重ねていくしかないこと」。社会人として生きていく上で重要なことを、教えてくれる話である。

経営企画部での重責を乗り越え、自信をつけてきた岡田。しかし、現状に満足せず、チャレンジを続けた。「経営や会計に関する体系的な知識をつけたい」という思いを果たすべく、留学を志す。

Episode 2  香港への留学で迎えた
キャリアの転機

海外派遣制度に応募
業務と留学準備で多忙を極める

経営計画に関わる仕事は2010年春まで担当した。その後は同部の月次・損益管理担当に移る。経営計画は主に年次で策定されるが、新しい担当ではそれを月次にブレイクダウンしたより細かい数字を見ていく仕事を担当した。
こうした異動の裏で岡田は同時に新たな挑戦もしていた。ゆうちょ銀行の海外派遣制度に応募したのだ。
「経営・経済・会計・ファイナンスに関する知識を体系的に習得したことがなく、若いうちにぜひともそれを学んでおきたかった。それに加えて国際化していくビジネス環境に対応していくため、英語でのコミュニケーションのスキルアップを図りたいという思いも強くありました」
そんな岡田の熱意は通じ、会社からはGOサインが出た。しかし多忙な日々の業務はこれまで通り続いているわけであり、その状況の下で大学院留学に向けた準備を進めていくのは簡単なことではなかった。当然ながら会社は認めてくれても試験に受からなければ留学はできない。留学をサポートする会社などに相談した際にも「準備期間が短か過ぎる。もう1年待ってじっくり準備してはどうか」という指摘を受けたという。
だが岡田はやり遂げる。決して得意ではなかった語学についても短期間で力を伸ばし基準をクリアしてみせる。そして2010年の夏より香港に渡り、香港中文大学の学生となったのだった。

日本の経済に対するシビアな視線と技術力に対する評価

人生初の海外生活は非常に刺激的なものだったという。岡田は改めて学生として勉学に励む自由を満喫した。
「周囲の学生も皆社会人を経て留学してきていて意識は高い。それまで外国人の友人というものができたことがなかったので、初めての感覚でしたね。交流を楽しみながら生活していました」
だが、香港では日本の経済状況に関するシビアな視線にも遭遇した。いわゆるデフレから脱却できずに失われた10年、20年という時間に対し、アジア諸国の学生たちは厳しかった。経済成長を続けるアジア諸国が日本の轍を踏まないためには何をするべきか、という悪い意味でのケーススタディにされることもあり、ショックを受けたという。
その一方で、2011年3月に発生した東日本大震災では、逆に日本の底力を認める声が聞こえてくることもあったという。東北の工場が被害を受けたことが遠因して、欧州の大手メーカーの製品の出荷停止の懸念が広がったことで『代替のできない日本のコア技術の影響力を世界中が再認識した』という話になったこともあったのだ。
「国際感覚という意味でも、アジアを身近なものに感じられるようになりましたし、世界経済の動向を大きな視点で考えられるようになりました」
銀行員として、グローバルな事業展開に貢献したいという思いはこれまでもぼんやりとではあったが持っていた。だが、留学を通じて岡田は目標につながっている道のりのスタート地点に、しっかりと立ったのである。

「ターニングポイントだった」と自ら振り返る香港留学を終え帰国した岡田は、自分の夢の実現と会社への貢献、その双方を成し遂げていく姿勢で日々の仕事に取り組み続ける。

Episode 3  行動力でたぐり寄せた
グローバルな仕事

“本当に会社のためになるのかどうか”
予算担当として得た、自分の中の確かな基準

2011年の秋に帰国した岡田は、経営企画部の予算担当に配属される。全社の経費予算に目を光らせるという、難しい役目を務めることになる。各部門が予算を適正に使用しているかを管理し、時には指摘を行うのだが、当然ながら各部門には各部門の言い分がある。正しい、正しくないでは分けられない難しいケースも山ほどある。
「予算というお金のからむ仕事でしたので、社内から恨まれたことも多かったと思います。でも、この仕事からも得るものはありました。社内の各部門はそれぞれの使命感のもとで精一杯働いています。その使命感は尊重しないといけません。ただ、それを前提にしつつも“本当に会社のためになるのかどうか”という一段階上位の客観的な視点で考えることが、企業で仕事をする上では大事なのだと、そう考えるようになりました」
ただ、岡田はこうも考える。
「会社のためにとは言っても、単にマシーンのように会社の歯車になるのが正しいという意味ではないです。自分自身の成し遂げたいことを、仕事として成立させた上で達成していこうという意識をもって働くことが大事なのだと思います。留学時代に強く感じたことでもありますが、常に状況は変化を続けているので、指示を鵜呑みにするのではなく、常識にとらわれない考え方をすることを、いつも心がけていますね」

入社8年目にして市場部門へ
留学で膨らませた夢に近づく

そして2013年4月、岡田は約6年勤務した経営企画部を離れ、投資運用を担当する市場部門へと異動する。留学を通じて抱いた世界を相手にした仕事をするチャンスが舞い込んだわけである。市場部門の中でも、現在の岡田が配属されているクレジット投資部では、民営化を契機に開拓が進んだ新しい投資対象「海外クレジット(信用リスクのある外国政府・企業の負債)」への投資を行っている。
部内は国内投資と海外投資にラインが分かれており、岡田は外国債クレジットを担当する海外ラインに所属。日本国債の低金利が継続する中、信用力の高い海外発行体の債券に投資することで収益性の向上を目指すことが使命だ。投資機会を拡げるため、新興国の債券発行体に関する分析などにも携わっている。もちろん分析だけではなく、実際の取引も行っており、投資先のモニタリングなども日々取り組んでいる。
「一日のだいたいのスケジュールとしては、午前中に投資先のモニタリングをして、債券発行体のクレジットに影響のありそうなニュースはないかをチェック、何か問題があれば上司に対して報告を行います。午後は新規投資先の分析を行い、夕方のロンドン時間に入ると取引を行うという流れですね。このほか、海外の債券発行体のIR、投資関連のセミナー等への参加を随時行います。」
全国津々浦々に張り巡らされた郵便局・ATMネットワークサービスを維持し、お客さまからお預かりした大事な貯金の資金運用のためには、投資先の拡大が求められている。そうした命題を前に「担当する外国債クレジットへの投資が、収益拡大にダイレクトに貢献している点は大きなやりがい」と岡田は語る。日々の忙しさに流されることなく留学を志し、努力し、切り拓いてきた道。そこを歩きだしたことへの充実感は言葉に、表情に、満ちている。

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